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コストをかけず地震に強い家にする
6つのポイント

2024年1月の能登半島地震や4月の豊後水道震源の地震で、地震対策の重要性が改めて浮き彫りになりました。南海トラフ地震に備える高知でもさらに意識が高くなっていると思います。
これから新築や中古住宅などまたリノベーション含め、家づくりを検討される方へ、出来るだけお金をかけずに耐震性能を上げる工夫をお話したいと思います。

まず、耐震基準について、等級1だの3だの、耐震診断などなど住宅の耐震についての情報がありますが、実際に建築基準法の耐震基準ってご存じですか?

2024年現在の建築基準法の耐震基準の規定は、2000年6月1日以降に建築確認申請が行われた建物(木造建築)に適用されています。
この基準は1995年阪神淡路地震によって、木造建築は2000年に1981年新耐震基準に大きな変更が加えられ、地盤に合わせた基礎形状を採用することや、耐力壁の接合の確実化、量のみならず壁の配置(バランス)まで規定されています。
現在、建っている木造住宅は、建てられた時期によって3種類の構造基準によって建てられています。

① 2000年6月1日以降建築確認申請~
【現行基準】

② 1981年6月1日建築確認申請~
【新耐震基準】

③ それ以前【旧耐震基準】

②の1981年に施行された新耐震基準は、震度6~7程度の揺れに対応できるよう設計されています。ちなみに高知県の支援している耐震診断を受けましょうという!という物件は、1981年以前に建てられた物件についてですが、先の能登半島地震では、新耐震基準を満たした1981年以降建てられた木造住宅でも多くの被害が出たとのことです。

1981年の新耐震基準はあくまでも最低限の耐震性能を保証するものであり、繰り返し起こる地震によって構造や地盤が歪み、住宅にダメージが蓄積していく可能性があります。
では、出来るだけコストをかけずに地震に強い家を建てる際の注意点、または中古の家を検討している方へも中古物件を購入する際について注意する点を解説します。

コストをかけずに地震に強い家にするポイントは、次の通りです。

・地盤が強い所に建てる
・形をシンプルにする
・壁や柱の数を注意する
・建物の軽量化
・耐震等級が高い
・築年数が浅い
 (1981年以降、出来れば2000年6月以降)

出来るだけわかりやすく説明します。

地盤が強い

地震に強い家の特徴は、地盤が強い場所に建つ物件です。
どれだけ建物が頑丈なつくりで設計されていても、支える地盤が弱いと地震によって倒壊してしまいます。地震に強い家を建てるなら、まずは地震に耐えられる土地を探すべきです。

お手持ちの土地の場合は、地盤調査によって地盤が弱いことが判明した場合は、地盤改修工事を行って、地盤を強化しましょう。地震が起きても沈下せず、建物を支えられる土地を選べば、地震による被害を軽減できます。

形がシンプル

形がシンプルな家は、地震に強い傾向があります。
地震が発生した際には揺れや衝撃によって、住宅にはいろいろな「力」がかかり歪みが生じます。

L字やコの字など形が複雑な住宅は、揺れの「力」が建物の一点に集中しやすく、損壊や倒壊するリスクが高いです。対して正方形や長方形などのシンプルな形であれば地震のエネルギーが均等に分散され、建物全体で揺れに耐えられます。

壁や柱の数を注意する

地震に強い家を建てたい場合は、壁や柱の数に注意しましょう。大開口など大きな窓は採光を多く取り入れ明るい空間を演出できますが、どうしても壁の面積が少なくなってしまいます。
壁や柱は建物を支える重要な役割があり、極端に数が少なかったり、壁や柱の配置のバランスが悪いと耐震性が低下してしまうので注意が必要です。

地震に強い家を建てる際には、間取りやデザイン性だけでなく、耐震性を高めるために壁や柱を考えることが大切です。

建物を軽量にする

また地震に強い家を建てる際の注意点は、重たい材料を出来るだけ使用しないことも工夫の一つです。建物の重量が重いと、地盤に必要な「地耐力」といわれる力も必要です。
コンクリート>鉄骨>木造の順に重い建物になります。なので地盤も強くしなければなりません。また、高い建物でバランスが悪い建物も地震が発生した際に揺れやすく、倒壊するリスクが増えます。
特に屋根材などが重いと地震の際に揺れやすいため、屋根にできるだけ軽量の材料を使うことは耐震性を上げる一つの方法です。

耐震等級が高い

耐震等級が高い建物ほど、地震に強い特徴があります。耐震等級は1〜3の水準があり、それぞれ下記のような耐震性を基準にしています。

建築基準法では以下の地震を想定して、安全を確保するよう法律で定めています。

■数百年に一度発生する(住宅の密集する都市で震度6強から震度7程度)地震に対して、倒壊・崩壊しない。

■数十年に一度発生する(住宅の密集する都市で震度5強程度)地震に対して、損傷しない。

わかりやすくいうと、、、
「この住宅が、阪神淡路大震災の時に震度7のところに建っていたとしたら…相当傾いて、修理出来ないくらいのおそれはありますが、完全に潰れて、その下敷きになって死ぬことはないでしょう。尚、この住宅の立っている場所でそのような強い揺れの地震が起こるのは、数百年に1回でしょう。」という基準です。これが耐震等級1のレベル。

 ちなみに… 等級2は、耐震等級1の1.25倍の地震力に
抵抗できるレベル

学校や病院など避難場所となる建物に採用される
等級3は、耐震等級1の1.5倍の地震力に
抵抗できるレベル

警察署や消防署など災害時の救護・復興活動の拠点に採用される

くわしくレベルまで知っている人は少ないと思います。等級3は3倍頑丈ではないんですよ!耐震に限らず、それぞれのご家族に見合った家づくり考えましょう。

築年数が浅い

築年数が浅い家は、地震に強いです。
新耐震基準が制定される前の1981年5月までに建てられた家は、旧耐震基準に沿って建設された可能性があります。旧耐震基準では、震度6以上の地震が発生した際に倒壊するリスクがあり危険です。

さらに新耐震基準で建設されても、度重なる地震によって構造や地盤にダメージが蓄積されていると、再度大きな地震が発生した際に倒壊する可能性があります。

中古住宅購入を検討している方は、「築年数」と「耐震性」の関係性をよく理解して、物件を選びましょう。安物買いの銭失いにならないように!

制震・免震対策

制震・免震対策をしている建物は、地震に強いです。制震・免震対策をしていれば、地震の被害を軽減できます。でも耐震・制震・免震って?同じようで違うんですよ。

【耐震】
 地震に耐えられるよう「強度を高める」工法
【制震】
 地震「エネルギーを吸収」する工法
【免震】
 地震「エネルギーを建物に伝えない」工法

耐震が建物の構造を強化して、地震に耐えるよう工夫する工法なのに対して、制震はダンパーなどの制震装置によって地震エネルギーを吸収します。また免震は、建物と地盤を切り離して設計し、地盤に設置した免震装置で地震エネルギーを受け流す仕組みです。
かかる費用は、免震>制震>耐震の順です。

まとめ

地盤の強い場所に、シンプルな形で上階が少ない家ほど、地震の際に揺れにくく被害を受けにくい特徴があります。地震に強い家を建てて安心できる生活を手に入れるには、地震に強い家の特徴をしっかり把握しておく必要があります。

特徴を活かすことで、コストをかけずとも耐震性を上げる工夫はできます。
専門家におまかせではなく、事前に知ることで無駄にお金のかからない自分たちだけの暮らしを実現できる家づくりになると思います。

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