- FUN DESIGN
- 独自データ
- 蓄電池・太陽光・給湯器の訪問販売トラブル件数の推移|国民生活センターのデータ
蓄電池・太陽光・給湯器の訪問販売トラブル件数の推移|国民生活センターのデータ
家庭用蓄電池の相談は2016年度325件から2020年度1,314件へ。点検商法は2025年度19,696件です。国民生活センターのデータを表にまとめました。よく聞くセールストークの本当のところ、クーリング・オフ(8日)、相談先188の使い方も紹介します。
この記事にはアフィリエイトリンク(広告)が含まれます。
夕方にインターホンが鳴ります。「近くで工事をしていまして、屋根の太陽光を無料で点検できますよ」。そのまま話が蓄電池の見積もりに進んで、テーブルの上に300万円近い数字が並んでいる。この記事は、そんな場面で手が止まった人のために書きました。
この記事の結論
その場では決めずに、まず「比べる材料」をそろえましょう。
- 業者の名前と、何をしに来たのかを聞いて、メモしておく
- 買った店やメーカー、市役所に、自分で電話して確かめる
- 契約したあとでも、書面を受け取ってから8日以内ならクーリング・オフ。迷ったら188へ

訪問で話を聞くこと自体は、悪いことじゃないんです。大事なのは、その日のうちにハンコを押さないこと。これだけで選べる幅がぐっと広がりますよ。
この記事の目次
蓄電池の訪問販売トラブル、本当に多いの?
国民生活センターへの蓄電池の相談は、2016年度から2020年度の4年で約4倍に増えました。
まず言葉をひとつ。蓄電池は「電気の貯金箱」です。昼に屋根で作った電気や、夜の安い電気をためておけます。
増えたきっかけのひとつが卒FIT(電気を高く買ってもらえる10年間が終わること)。2019年11月から順番に、この10年が終わる家が出てきました。そこへ「売るより、ためて使ったほうがお得ですよ」という売り込みが重なったわけです。
| 年度 | 家庭用蓄電池の相談件数 |
|---|---|
| 2016年度 | 325件 |
| 2017年度 | 553件 |
| 2018年度 | 926件 |
| 2019年度 | 1,302件 |
| 2020年度 | 1,314件 |
← 横にスクロールできます →
※国民生活センター「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」(2021年6月発表)より作成。2021年4月30日までのPIO-NET(全国の消費生活センターの相談データベース)登録分。消費生活センター等からの経由相談は含みません。件数は「相談の数」で、被害の数ではありません。
この発表をもとにした報道によると、相談のうち83.1%(3,456件)が訪問販売でした。電話勧誘が12.1%、お店で買ったのは3.4%です。蓄電池の相談は、ほとんどが「家に来た人」から始まっています。
ここで使った蓄電池だけの全国の件数は、2021年6月の発表(2020年度分まで)のものです。なので「その後は減った」とは言えないんです。
最近は?入口が「点検」に移ってきた
ここ数年は、「無料で点検します」から始まる点検商法の相談が増えています。
| 年度 | 点検商法の相談件数(全体) |
|---|---|
| 2023年度 | 12,550件 |
| 2024年度 | 19,249件 |
| 2025年度 | 19,696件 |
| 2026年度(途中) | 2,193件(前年同期 2,012件) |
← 横にスクロールできます →
※国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」より作成。2026年5月31日現在、経由相談は含みません。屋根や給湯器、分電盤などをすべて合わせた件数です。
ざっくり言うと、2年で約1.6倍。家のまわりの設備ごとに見ると、もっと伸びています。
| 点検のきっかけ | 古い年度 | 新しい年度 |
|---|---|---|
| 太陽光発電 | 2017年度 57件 | 2024年度 613件 |
| 給湯器(エコキュート等を含む可能性) | 2018年度 206件 | 2023年度 1,099件(12月末まで) |
| 分電盤(電気の配線をまとめた箱) | 2022年度 14件 | 2025年度 6,545件 |
← 横にスクロールできます →
※いずれも国民生活センターの発表より作成。発表の時期がちがうので、年度もそろっていません。国民生活センターの資料では「エコキュート」ではなく「給湯器」と書かれています。
いちばん気になったのは、相談した人の年齢です。給湯器の点検は7割以上、分電盤の点検は2025年度で8割超が70歳以上でした。離れて暮らす親の家にこそ、この話を伝えておいてほしいと思います。

点検から始まって、話が蓄電池に進むこともあるんです。栃木県も、給湯設備の無料点検から蓄電池を勧められた相談を紹介していますよ。

「市から委託」「点検は義務」…その言葉、本当?
言われた言葉が本当かどうかは、自分で電話すれば確かめられます。
| 言われがちな言葉 | 公的機関の情報で分かること | こうすれば確かめられる |
|---|---|---|
| 「市から委託されて来ました」 | 太陽光の無料点検でこう話した事例が、国民生活センターに寄せられています | 市役所の代表番号に自分で電話する |
| 「太陽光の点検は義務になりました」 | 対象かどうかは、FIT・FIP(電気を決まった値段で買ってもらう国の制度)を使っているかや、出力でちがいます | 買った販売店・施工店かメーカーに聞く |
| 「分電盤を交換しないと危ない」 | 法定点検(法律で決まった点検)で、調査員が交換工事を持ちかけることはありません | 契約中の電力会社に、契約書や検針票にある番号へ自分で電話する |
| 「この値段は今日限り」「安くできるのはあと2件」 | 蓄電池の相談で、実際に急かされた例として紹介されています | 「家族と相談します」で一度帰ってもらう |
| 「早くしないと補助金が打ち切られる」 | 栃木県が、こう急かされてその場で契約した例を紹介しています | 補助金を出す国や自治体のページで、自分で見る |
← 横にスクロールできます →
業者には、話を始める前に「会社名・勧誘が目的であること・売りたい商品」を伝える決まりがあります(特定商取引法)。だから最初に名前を聞くのは、ごく普通のことなんです。
給湯器については、国民生活センターが「インターホン越しに点検を断りましょう」と案内しています。玄関を開けなくても大丈夫です。
でも、せっかく来てくれたのに断るのは気まずい…

気持ち、すごく分かります。そんなときは「家族と決めることにしているので、資料だけください」で十分。資料が手元にあれば、あとでゆっくり比べられますよ。
訪問をきっかけに、自分で調べて決めた人もいます。
「最終的には自分が納得できる形で「蓄電池はわが家には不要」と判断ができました。」
note のブログ(2024年10月)
付けるか付けないかは、どちらでもいいんです。自分で納得して決められたかどうか。そこがいちばん大事です。
出された見積もり、高いの?妥当なの?
1枚の見積もりだけでは、高いか安いかは決められません。2〜3社分そろえて、はじめて比べられます。
この迷いを抱えるのは、ひとりだけじゃありません。知恵袋にも、同じ迷いを書いた質問がありました。
「太陽光パネルと蓄電池の訪問販売について 見積もりをもらったのですが、 相場よりかなり高いのか妥当な金額なのか 詳しい方いましたら教えて頂けますか?」
Yahoo!知恵袋の質問(2025年2月)
その質問への回答は、比べるときにそろえる資料まで挙げていて具体的です。
「発電量、売電量のシミュレーションから回収にかかる年数を計算したものや、補助金関係の資料も普通の業者から取って比較すべきかと思います。」
Yahoo!知恵袋の回答(2025年2月)
長いローンで迷っている人への回答も、出発点は同じでした。
「まずは複数業者から相見積もりするのが良いと思います。」
Yahoo!知恵袋の回答(2024年1月)
もらっておくと比べやすい資料は、この5つです。
- 機器の名前と型番、容量(kWh=電気をためるバケツの大きさ)
- 機器代と工事代が分かれた明細
- 発電量・電気代の試算と、その前提(電気の単価など)
- ローンなら、金利と月々の額、払う年数
- 補助金を使うなら、その名前と、誰が申請するのか

見積もりが「一式」の1行だけだと、他の会社と並べにくいんです。明細を出してもらうのは失礼じゃないので、遠慮なく頼んでくださいね。
国民生活センターは、約250万円・13年の分割で蓄電池を契約した60歳代の相談を紹介しています。そのうえで、購入費や工事費に加えて「ローン利息やメンテナンス費用」まで考えるよう案内しています。月々の額だけでなく、払い終わるまでの合計で見るのがコツです。
選び方の基準:機器と工事の明細、試算の前提、払い終わるまでの合計の3点で比べると、会社ごとのちがいが見えやすくなります。
もう契約しちゃった!クーリング・オフは何日以内?
訪問販売なら、法律で決まった書面を受け取った日から数えて8日以内は、理由なしで契約をやめられます。
ここ、意外と見落とします。8日は「契約した日」からではありません。書面を受け取った日から数えます。
- はがき・手紙:通知のコピーをとって、特定記録郵便か簡易書留で送る。消印が8日以内ならOK
- メール・専用フォーム:契約書に書かれた宛先に送り、送ったメールや画面のスクリーンショットを残す
- ローン(クレジット)で払う契約:販売会社とクレジット会社の両方に、同時に送る
- 控え:通知のコピーや郵便局の受領証、契約書は5年間とっておく
業者がうそを言ったり脅したりして止めた場合は、8日を過ぎてからでもできます。

8日を過ぎていても、あきらめるのはまだ早いんです。ほかに使える決まりもあるので、まずは書面を手元に置いて188に電話してみてください。
なお、自分からお店に行って買った契約や、通信販売には、クーリング・オフはありません。
どこに相談すればいい?188の使い方
迷ったら「188(いやや!)」。近くの消費生活センターにつないでもらえます。
| 項目 | 内容(2026-10-29時点) |
|---|---|
| 番号 | 188(全国共通の3けた) |
| つながる先 | 住んでいる地域の消費生活センターなど |
| 料金 | 相談は無料。通話料はかかる(一般回線から180秒8.5円・税込9.35円) |
| 話し中のとき | 国民生活センター 平日バックアップ相談 03-3446-0999(平日10時〜16時) |
| 土日祝 | 地域の窓口が閉まっていれば、国民生活センターが受ける(年末年始などを除く) |
← 横にスクロールできます →
※消費者庁「消費者ホットライン」、国民生活センター「全国の消費生活センター等」より。バックアップ相談の番号は2025年12月3日に変わっています。IP電話など、188につながらない電話もあります。

電話の前に、契約書・見積もり・業者の名刺を手元にそろえておきましょう。話がスムーズに進みます。
よくある質問
Q. 蓄電池の訪問販売トラブルは、今は減っているの?
A. 蓄電池だけの全国の件数は、国民生活センターの2021年6月の発表で2020年度が1,314件でした。点検商法全体の相談は2025年度に19,696件で、増えたままです。「減った」とは言えません。
Q. 「補助金の申請はうちでやります」と言われたら?
A. 補助金を出す国や自治体のページで、名前・金額・受付中かどうかを自分で見てください。栃木県も、補助金は補助をする機関の情報を自分で確かめるよう案内しています。誰が申請するのかも、契約前に書面で確認しておきましょう。
Q. 卒FITが近いけど、蓄電池は付けたほうがいい?
A. 家によって答えが変わります。国民生活センターも、売電より自家消費のほうが得になるとは限らない、と案内しています。電気の使い方を書いて、2〜3社に試算を出してもらいましょう。
この記事のまとめ
- 家庭用蓄電池の相談は、2016年度325件から2020年度1,314件へ約4倍。83.1%が訪問販売でした
- 点検商法の相談は2025年度19,696件。太陽光・給湯器・分電盤の点検が入口になっています
- 「市から委託」「点検は義務」などの言葉は、市役所や買った店に自分で電話して確かめられます
- 契約しても、書面を受け取ってから8日以内ならクーリング・オフができます
- 次の一歩は、見積もりを2〜3社でそろえること。迷ったら188へ電話しましょう
出典を見る
- 家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!-事業者の突然の訪問を受けてもその場で契約はせずによく検討しましょう-(国民生活センター) 2026-10-29 閲覧
- 家庭用蓄電池の販売トラブルに関する注意喚起(国民生活センター発表の報道)(ITmedia スマートジャパン) 2026-10-29 閲覧
- 訪問販売によるリフォーム工事・点検商法(国民生活センター) 2026-10-29 閲覧
- 太陽光発電システムの点検商法が急増!(国民生活センター) 2026-10-29 閲覧
- 給湯器の点検にご注意ください-70歳以上の高齢者を中心にトラブル急増!-(国民生活センター) 2026-10-29 閲覧
- 分電盤の点検商法にご注意ください-相談が各地に広がり増加しています-(国民生活センター) 2026-10-29 閲覧
- 見守り新鮮情報 第456号 先々の負担も考慮して!家庭用蓄電池の契約(国民生活センター) 2026-10-29 閲覧
- 家庭用蓄電池等の勧誘トラブルにご注意!(栃木県) 2026-10-29 閲覧
- 特定商取引法ガイド 訪問販売(消費者庁) 2026-10-29 閲覧
- クーリング・オフ(豆知識)(埼玉県) 2026-10-29 閲覧
- 消費者ホットライン(消費者庁) 2026-10-29 閲覧
- 全国の消費生活センター等(国民生活センター) 2026-10-29 閲覧
- 訪問販売で出された太陽光・蓄電池の見積額が妥当か尋ねる質問と回答(Yahoo!知恵袋) 2026-10-29 閲覧
- 太陽光と蓄電池のセットを長期払いで買うか迷う質問への回答(相見積もり)(Yahoo!知恵袋) 2026-10-29 閲覧
- 訪問販売をきっかけに蓄電池を検討し、自分で判断したnote(note) 2026-10-29 閲覧